Vol.74 2013.7.3
発行/編集 全国商工会連合会
http://www.shokokai.or.jp/


【特集】
特集〜小規模企業基本法(仮称)の制定に向けて〜

 平成23年11月24日に開催した商工会全国大会にて、「小規模企業基本法(仮称)の制定」を決議し、もうすぐ2年が経とうとしている。その間、東日本大震災からの復旧・復興、経営力強化支援法の施行、TPP問題、消費増税、政権交代など、商工会会員を取り巻く状況は目まぐるしい変化を続けてきた。
 そうした中、政権公約に初めて「小規模企業基本法の制定」を明記した自由民主党が、平成24年の衆院選において歴史的大勝を果たし与党に返り咲いた。また、新たな政権公約にも、「小規模企業基本法の制定」が盛り込まれている。
 政権与党である自由民主党が掲げる2013年の政権公約と2012年の公約を比較することで、小規模企業基本法がなぜ必要であるかを改めて検討することとする。


≪J-ファイル2013≫
<中小企業・小規模事業者を応援>
82 『中小企業基本法』の改正と『小規模企業基本法』の制定
 現在、『中小企業基本法』の定める線引きにより、各種施策の対象外となったり、逆に規模拡大の壁となる等、法制度が産業構造の変化に対応できていません。そのため、先の国会で『中小企業基本法』を一部改正し、小規模企業の基本理念や施策の方針を明確化するとともに、海外展開の推進等、中小企業施策として今日的に重要な事項を新たに規定し、意義ある第一歩を踏み出しました。
 改正された『中小企業基本法』に基づいて、企業の成長段階に応じて伸びる力のある企業が成長にメリットを感じ、伸びようとするベンチャーを含めた中小・小規模企業や分野に資金・人材が集まりやすくします。
 また、地域経済の担い手である小規模企業は、資金繰り、海外展開、新規開業など様々な面で弱い立場に置かれていることから、小規模企業などに特化した支援が着実に実行されるよう『小規模企業基本法』を制定し、地域社会に活力を取り戻します。

≪J-ファイル2012≫
2.中小企業対策・地域活性化
236 中小企業基本法の改正と小規模企業基本法の制定
 現在、中小企業基本法の定める線引きにより、各種施策の対象外となったり、逆に規模拡大の壁となる等、法制度が産業構造の変化に対応できていません。そのため、中小企業基本法を改正し、伸びる力のある企業が成長にメリットを感じ、伸びようとするベンチャーを含めた中小・小規模企業や分野に資金・人材が集まりやすくします。
 また、地域経済の担い手である小規模企業は、資金繰り、海外展開、新規開業など様々な面で弱い立場に置かれていることから、小規模企業などに特化した支援が着実に実行されるよう『小規模企業基本法』を制定し、地域社会に活力を取り戻します。

 さて、上記のJ-ファイル2013、2012を比較すると、2013年の方に「先の国会で『中小企業基本法』を一部改正し、小規模企業の基本理念や施策の方針を明確化するとともに、海外展開の推進等、中小企業施策として今日的に重要な事項を新たに規定し、意義ある第一歩を踏み出しました。」という記載が追加されました。

 「中小企業基本法の一部改正」とは、中小企業基本法の基本理念に小規模企業の意義等を規定するとともに、小規模企業者の範囲の弾力化、小規模企業への情報提供の充実、小規模企業の資金調達の円滑化に係る支援等の措置を講ずるものです。

 小規模企業へ焦点が当てられたことは大きな前進です。今後、商工会としては以下の項目なども盛り込むべきだと考えています。

【小規模企業基本法(仮称)に盛り込むべき項目】
・小規模企業振興に係る基本計画制定を義務化
中小企業基本法にはない小規模企業振興に係る基本計画を義務づける。

・創業促進と創業まもない事業者の育成を重要な柱として位置づける
創業まもない企業は例外なく小規模企業であり、その支援及び創業を促進することは、経済活性化と雇用促進を促すことになる。

・中山間地域の振興、地域の社会・生活基盤の維持の役割を位置付ける
経済活動や地域コミュニティ維持活動など地域社会の中心である小規模企業の実態から、最も重要な項目のひとつである。

・女性の経済活動参画促進の役割を位置付ける
スモールビジネス創出など女性の能力を活かす環境整備をする。

 わが国企業の87%を占め、日本経済、産業の基盤として重要な役割を担っている小規模企業。商工会の会員企業のうち、61.9%を占める小規模企業。そうした小規模企業に対し、商工会組織を挙げ、小規模企業の育成支援の充実を図るよう、今後も小規模企業基本法(仮称)の早期制定を関係各方面に強く働きかけていきます。