Vol.46 2011.02.10
発行/編集 全国商工会連合会
http://www.shokokai.or.jp/


これからも地域とともに

 商工会女性部は、地域貢献を柱に女性ならではの感性で地域づくりに励んできた。女性部員のパワーは、今や地域活性化に不可欠なものと認知され、行政からも頼りにされている。
 今回は、地域に希望の光を見出し、活性化に向けて取り組んでいる女性部の方々にお集まりいただいた。全国の商店街の活性化を支援する全国商店街支援センターの藤田とし子さんの司会で、商工会女性部が地域で果たす役割や取り組みについて語っていただいた。

出席者
島 千代子 
埼玉県商工会女性部連合会会長、
朝霞市商工会女性部長

柴山 節子 
栃木県にのみや商工会女性部長、
尊徳ふるさと本舗企業組合代表

西岡千代子 愛媛県商工会女性部連合会会長、
内子町商工会女性部長

司会
藤田とし子 株式会社全国商店街支援センター事業統括役



藤田 本日は、商工会女性部のみなさまの取り組みをお聞きできるということで楽しみにまいりました。まずは、みなさまから自己紹介をお願いします。
 埼玉県朝霞市商工会から参りました。朝霞市は、池袋から電車で15分ほどの人口約13万人のベッドタウンです。
 商工会女性部長、埼玉県女性連会長を務めさせていただき、家業の総合リース会社では専務取締役をしています。女性部活動と家業のバランスをとるのは大変ですが、女性部員や商工会役職員のみなさんに支えていただいています。

島千代子会長

柴山 栃木県にのみや商工会で女性部長を務めています。家業は、建築金物販売業をしています。
 私たちの町は、2年前に真岡市と合併して、人口8万2600人となりました。商工会は旧町のまま存続し、会員数は398名、女性部員は31名在籍しています。江戸時代の末期、二宮金次郎(尊徳)が報徳仕法で農地復興に活躍した地であり、町名もその名に由来しています。
西岡 愛媛県内子町でお酒やお米の小売業をしています。私の実家の仕事でした。15年前まで主人は製材業をしていましたが、20年間の地方議員を経て、今は小売業を手伝ってくれています。交代といいますか、今度は私が商工会女性部長、愛媛県女性連会長を務めさせていただき、忙しい日々を過ごしています。
藤田 では、私も自己紹介させていただきます。東京の日本橋生まれで、大手流通小売業に勤務し、結婚して千葉県の柏市に移りました。子育てをしながら、市の地域活性化NPOに関わり、その縁で全国商店街支援センターへ入社いたしました。
 全国の商店街のがんばる姿には、いつも元気をいただきますが、みなさまが地域でどのような活動をされているのか、とても期待しています。それでは、島さんから地元での取り組みについてお聞かせください。

CO2削減協力が評価され知事から感謝状

 埼玉県女性連では平成20年度から、温暖化防止対策として「温暖化防ぎ隊」を組織し、県が推奨する「エコライフDAY」に取り組んでいます。環境破壊や温暖化問題などが叫ばれて久しいですが、年に1日、地球温暖化防止にチャレンジ、CO2削減に県民をあげて取り組もうと、県がチェックシートをつくりました。
 例えば、「冷蔵庫の扉は、すぐ閉めた」「ご飯やおかずを、残さず食べた」など、誰でも気軽に参加できる内容で、その項目をクリアするとどれほどのCO2が削減できるのか、お金の節約につながるのかが示されています。私自身も車での移動を減らして、健康のためにも駅まで歩いたり、なるべく冷暖房を使わないように心がけたりするようになりました。
 県下の女性部員は5024名ですが、その家族や従業員、取引先、地域の小中学校などにも協力してもらい、平成22年度は「エコライフDAY」に7701名が参加しました。約2ヵ月間で6・3トンのCO2削減に貢献できました。杉の木450本が1年間に吸収するCO2量に相当するそうです。この取り組みに対して、知事から感謝状もいただきました。
藤田 まだ3年目ということですが、すごい参加人数ですね!
 年々参加者を増やし、2年目よりも、713名増えました。一人ひとりに声をかけながら、参加をお願いしています。
 21年度からは、同じく県が推奨する「電気ダイエットコンクール」にも県女性連で取り組んでいます。「冷房28℃設定」「待機電力削減」など簡単な節電を意識して行い、毎月各家庭に配布される「電気使用量のお知らせ」に記載されている8月分の電気使用量と昨年の8月分の電気使用量を比較します。女性部員の参加人数は平成22年度は291名ですが、ちょっとした心がけでできることなので、少しずつ参加者を増やしていきたいと思っています。
藤田 部員さんそれぞれが声をかけ合って参加を促進しているんですね。では、続いて柴山さん、お願いします。

仕出し弁当で企業組合設立1日120食を出荷

柴山 女性部有志で仕出し弁当の製造販売を行っています。平成16年に任意組織として女性部員23名の出資で発足しました。地域の賑わいづくりと雇用促進を目指し、空き店舗を借り上げ調理場として使っています。 発足当初は毎日メニューづくりや試作品づくりなどの試行錯誤を重ねましたが、1年で約1000万円の売上を計上することができました。
 平成17年に商工会の勧めで、コミュニティ・ビジネスとして少額の資金で設立できる「尊徳ふるさと本舗企業組合」を発足することになり、任意団体時23名に出資していただいた資金は10%の配当金をつけて一旦返還し、改めて本舗の運営に参加・協力できる人に限定して出資を募り、現在17名の組合員で構成しています。作業は毎月1日の休みを除いて、毎日朝6時から9時まで行い、全員に時給800円を支払っています。
 売上の8割が道の駅で、2割が会議やイベントなどの仕出しです。道の駅には、お弁当やおにぎり、焼きそば、赤飯、山菜おこわなど、1日に120食ほど出荷します。季節や天候に左右されますが、観光バスが乗りつけることもあり、売上は年々増加しています。

柴山節子部長

藤田 いつでもやめることができる任意組織ではなく、企業体にされたのはすばらしいですね。かなりの覚悟も必要だったのではないでしょうか。
柴山 お客さんからの「おいしかった」の一言を励みに、みんな楽しみながらやっています。従業員は女性部員だけでなく地域の方も雇用して、商売や主婦業の合間を縫って早朝から働いていただき、協力して運営しています。事務関係は商工会に委託していますので、商工会の支援もありがたいです。
藤田 女性部から育った企業として、商工会や地域のみなさまに支えられているのですね。西岡さんのところでは、いかがでしょうか?

地元農産物で草木染めおしゃれなストールやコサージュに

西岡 合併前から始まった取り組みで、草木染めと柿渋染めを行っています。自然豊かな内子町小田らしい特産品をつくろうと、当時の女性部役員を中心に女性13名の草木染めグループを発足しました。
 発足当時は私は参加していませんでしたが、商工会女性部長に就任したのを機に参加し、営業部長として販路拡大やPRに努めています。
 商工会の支援で空き店舗を利用した作業場「工房夢ふう染」を構え、現在は10名で草木染めのストールやコサージュ、柿渋染めのバッグなどをつくっています。道の駅と松山空港に置いていただき、少しずつですが大きな市場に販路が広がっています。
藤田 草木染めはどんな植物で染めるのですか?
西岡 小田の農産物でもある栗やびわ、それから多年草のアカネと落葉高木のエンジュを基本にしています。全て手染めで、自然素材らしいやわらかな風合いに染まるんですよ。
 それから、つくって売るだけではなく、体験教室も開催しています。体験教室の参加者は少なくとも4〜5時間は小田のまちで過ごしますので、ランチやお土産購入といった地域経済への波及効果があります。
 私たちのポリシーは、「地域経済が元気になるためのお手伝いをすること」です。行政や商工会からも事業化を勧められ、昨年末「工房夢ふう染」として活動し始めましたが、実際の作業は女性部員が主体で行っており、商工会の信用度を活用しながら、地域の商工業者が儲かるように、私たちができることに精一杯取り組んでいます。

西岡千代子会長

藤田 苦労をバネに、みなさま本当にパワフルにご活躍されていますね。
 さて、地域を振り返ってみますと、人口減少による縮小経済と言われ、徒歩から車、そして今やネットが商品購入の行動様式の一つとなり、商店街はすっかり疲弊しています。当社では、商店街を「地域コミュニティの担い手が集まる場」として改めて捉え直し、商店主がコミュニティ復興に力を発揮できるような支援も行っています。みなさまの地元商店街との関わりについて、お聞きします。

世代間の支え合いの場を提供

 埼玉県下の女性部では法施行50周年・県連創立60周年の記念事業の一環として、地元商店街を盛り上げ、売上増加を図るため「お買い物は地元商店で!」というステッカーを配布して、地元商店での買い物を促進しています。
 また、朝霞市商工会では地域支え合い事業を始めました。空き店舗を活用した無料休憩所「ホッと茶屋あさか」を拠点に、団塊世代の方々が中心になって子育て支援や一人暮らしのお年寄りの家の庭の草取りなどの軽作業を行っています。地域に暮らす人々がお互いに助け合わなければ、コミュニティは成り立ちません。
柴山 にのみや商工会女性部は、商店街の中心に立地する商工会館施設を活用して11月3日の文化の日に「どんとこい広場の音楽祭」を開催しています。幼稚園児や小中学生の楽器演奏、フラダンスや四ツ竹踊りなど、地元の子供や主婦などが自由に参加できる発表の場を提供することによって、地域住民とのコミュニケーションを深めるのに一役買っています。模擬店やビンゴゲームなど女性ならではのサービスを提供することもあって、観客も年々増えて成果を挙げています。
西岡 内子町では、青年部長や商店街の有志が中心になって100円商店街を始めました。店の前に100円の商品を並べてお客様とコミュニケーションを取りながら、お店や商品に興味を持っていただくという企画で、80商店が参加しています。また、買い物弱者対策としてオンデマンドバスの運行も試験的に行っています。

地域の課題解決へ商工会女性部に大いに期待

藤田 買い物が困難な方に商品を配達するのもいいのですが、「商店街に買い物に出かける」という行為自体が生きる楽しみや喜びでもあります。そういう意味でも商店街は必要です。
 最後に、全国の商工会女性部員のみなさまへメッセージをお願いします。

藤田とし子氏

西岡 一緒の時代に生きている者同士、支え合ってできることが、きっとあるはずです。地元産品を大きな声で主張できる女性部になってほしいと願います。小さな火をたくさん灯して、商工会女性部から明るい地域、日本へとつなげていければいいですね。
柴山 常に目的や目標を持って行動することが大事です。視察や研修で事例にたくさん触れながら、最初は真似でもいいので、自分たちのまちならではのものに育てていければ、まちづくりの第一歩につながると思います。
 将来が不安な昨今ですが、女性らしいきめ細やかな感性で、家業に女性部活動にと取り組んでいただけたらと思います。絶対春は来ると信じて、どんなことも恐れずに前向きにみんなでがんばっていきましょう!


* 詳しくは月刊「Shokokai」2月号をご覧下さい。